2005年7月5日

昨日までは冷房が欲しいほどの猛暑だったのですが、今日は気温が20度を割り、朝はコートが必要なほど。吐く息が白く見えました。とても7月とは思えない涼しさです。やはりヨーロッパの気候はどこか変です。


いま日本とドイツの過去の克服についての原稿を書いているのですが、中国が思想や信教、言論の自由がない非民主国家であることを考えると、ドイツがフランスやイスラエルに対して行ってきたような、冷静な過去との対決は難しいのではないかという、悲観的な気持ちが頭を占めることがあります。欧州では、戦争中に殺されたユダヤ人の数を科学的に検証することは不可能ですが、600万人のユダヤ人が犠牲になったということでコンセンサスができています。ドレスデン空襲の死者も、20年前には35万人といわれていましたが、最近の研究では4万人前後というのが定説になっています。

日本と中国との間では、南京虐殺の死者についてすら、いまだにコンセンサスが出来上がっていません。非民主国家とそのような合意に達することは、非常に難しいでしょう。しかもこの非民主国家に対し、日本が経済的に依存度を高める一方なのですから。この現状を考えると、思わずため息が出てしまいます。